カウンセリングと心療内科の違い
よく両者の違いについて聞かれますので、私なりに違いを説明したいと思います。
カウンセリングも心療内科も心の問題を扱う点では同じです。
心の問題を解決するには人間の「治ろうとする力」を引き出していくことが重要です。この力を引き出すためのスタンスや手段が少し違っています。
心療内科では薬を処方します。薬を使って「治ろうとする力」を引き出そうとします。
カウンセリングは対話を中心としたコミュニケーションによって「治ろうとする力」を引き出していきます。
簡単な例を出しますと、悩み事があって「眠れない」時に、一般の病院へ行くと睡眠薬を処方されたとします。(症状によって最適な薬を選択されますので睡眠薬とは限りません。)「眠れない」というのは不眠症状であって、不眠という病気ではありません。薬により体の症状を抑えたに過ぎません。薬を使っているうちに悩み事が解決すればOKですが、悩み事が改善されない場合は薬を続けることになります。つまり原因へ働きかけなければ本当に回復しません。
心療内科の場合は、より心の問題に対応した薬を処方して、症状を抑えながら自分を冷静に見つめる状態を作り「治ろうとする力」を引き出そうとします。薬のサポートにより原因に働きかけようとするわけです。
カウンセリングはコミュニケーションによって直接心や思考に働きかけて「治そうとする力」を引き出します。
カウンセリングと心療内科は相互に連携しています。
うつ病を例に出すと、うつ病はストレスなどを気づかない間に心に溜め込み、何かを引き金にうつ状態になります。うつ病は心療内科で薬をもらいながら治療を進めていけば治ります。重度の場合は薬の力を借りる方が効果的です。
でも、もし早いうちに心への働きかけが出来れば発症せずに済むかもしれません。この早期対応がカウンセリングの長所です。「気軽に相談ください」とはこの点です。
そしてカウンセラーはカウンセリングを続けるか、心療内科を紹介した方が適切か、相談者の状況を見ながら判断しています。
ちょっとしんどいな・・・と感じたら、まずはカウンセリングを受けてみてください。
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